四季とからだと食養生

2014年12月15日

日本の特色は、四季がはっきりしていて、およそ3ヶ月毎に季節が移り変わっていきます。

そして、それぞれ季節にともなって変化する食材を「旬」と称し、夏はからだを冷やし、冬はからだを温める食材が出回ります。

「旬のものを食べると長生きする」といわれているように、これには二つの意味があります。

ひとつは、旬の野菜はそれだけで生命力に溢れた食材であるということ。芽吹き(スプラウト)の栄養素を取り入れることができます。

ふたつめは、旬の食材は味がよいことにくわえ、ビタミン、ミネラルなどの栄養素の含有量が多い。たとえばホウレンソウひとつをとってみても、旬の露地物と、季節に関係なくハウス栽培されたものでは、ビタミン群の含有量をはじめ、栄養や味も全く異なります。

このように、「四季」に応じた食材を使って食事をすることが「食養生」の原点といえます。

貝原益軒の「養生訓」

『養生訓(ようじょうくん)』は、江戸時代、福岡藩の儒学者 貝原益軒によって書かれた、健康を保つ生活についての解説書です。

そのなかで貝原益軒は、季節ごとの気温や湿度などの変化に合わせた体調管理をすることによってはじめて、「健康な身体での長寿が得られるもの」と述べています。
これらは、すべて益軒の実体験で、彼の妻もそのまま実践し、晩年も夫婦で旅に出かけるなど、仲睦まじく長生きしたといいます。
貝原益軒の説く養生訓は、現代の生活習慣病の一次予防(※1)に繋がるものと言われています。

※1
一次予防とは、生活習慣および食習慣の改善、生活環境の改善、健康教育による健康増進を図り、疾病を予防して健康寿命の延伸を図ること。

参照:ja.wikipedia.org/wiki/

からだの四季

季節ごとに環境が変化するように、人間のからだも四季とともにさまざまな変化を起こします。季節の変わり目に倒れる人が多く見られることからも、季節の変化が、体にも影響していることがわかります。それぞれの季節で、からだにおこる変化を知り、季節にあったケアをすることが、健康の基本です。

冬のからだと養生

冬は、気温の低下にともない、からだの機能が抑えられ、新陳代謝の低下やホルモンバランスの乱れがおこりやすい季節です。大切なことは、からだを温めることです。

頭、背中、脚をあたためましょう

頭部に寒気を受けると、血管が収縮して頭部の筋肉も緊張して、頭痛、風邪などを起こしやすくなります。外出時は、帽子をかぶって防寒を!

背中に寒気を受けると、筋肉や内臓に影響を及ぼしやすくなります。
背骨にそってある脊髄には、下着やベストなどでの防寒のほか、カイロを背中に貼るのもよいですね!

脚に寒気を受けると、反射的に呼吸器官の粘膜にある毛細血管が収縮して、抵抗力が弱まるいわれています。足首をレッグウォーマーなどで防寒しましょう!

体を温める食材を摂りましょう

なにより大切なのは、体を温める食材を摂ることです。

冬は気温が下がるため、エネルギーを消耗しやすくなります。体温を維持し、エネルギーを増やす食事をこころがけましょう。
寒がりは、ミネラル不足によっても起こると言われています。
乾燥を防ぐためのビタミンB、Cなども充分に補給しましょう。

体をあたためる「温」の性質を持つ食材を摂りましょう。
鶏肉・ナツメ・かぼちゃ・ねぎ・にんにく・玉ねぎ・もち米・しょうが・シナモン・こしょう・山椒などを使ったお料理を工夫してみてください。食は健康の基本です。